キャバクラで働き始めると、「キープボトル」という言葉を耳にする機会が増えていきます。「ハウスボトルと何が違うの?」「どうやってお客様に入れていただくの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

キープボトルは、キャストの収入に直接かかわる重要なシステムです。仕組みをきちんと理解しておくことで、お客様への自然な提案ができるようになり、ボトルバック(ボトルを入れていただいた際にキャストに還元される報酬)という形で収入アップにもつながります。

この記事では、キープボトルとは何か、ハウスボトルとの違い、定番銘柄と値段の相場、キャストにとってのメリット、そしてお客様に気持ちよく入れていただくためのコツまで、初めての方にもわかりやすく解説します。

キャバクラのキープボトルとは

キャバクラのキープボトルとは

キープボトルとは、お客様が別途料金を支払い、ご自身専用のボトルをお店に預けておくシステムのことです。来店のたびにそのボトルからお酒を楽しめるため、毎回単品でドリンクを注文する手間が省け、よりゆったりと過ごせます。

ボトルには名前入りのタグが付けられ、お店の専用棚で大切に保管されます。他のお客様が使用することはなく、完全にご本人専用のお酒として管理されるのが特徴です。セット料金に含まれるハウスボトルとは異なり、好みの銘柄を選べる点もお客様に喜ばれる理由のひとつです。

また、キャバクラにはキープボトルのほかに、ハウスボトルというシステムもあります。ハウスボトルとは、セット料金(チャージ料)に含まれる飲み放題のお酒のことです。追加料金なしで何杯でも飲めますが、銘柄は鏡月やJINROなどリーズナブルなものに限られており、お店全体で共有する形で提供されます。また、キャストはハウスボトルを飲むことができません

一方、キープボトルはお客様が別途購入されるご自身専用のお酒です。好みの銘柄を自由に選べるうえ、キャストも一緒に飲むことができます。この点が、ハウスボトルとの最も大きな違いといえます。お客様と同じお酒で乾杯できることは、距離を縮める大切なきっかけにもなります。

キャバクラのキープボトルの仕組み

キャバクラのキープボトルの仕組み

キープボトルの基本的な流れは次のとおりです。お客様が好みの銘柄を選んでボトル代を支払い、お店がボトルにお客様の名前を記入して専用棚で保管します。その後は来店のたびにセット料金を払うことで、ご自身のボトルを楽しめる仕組みです。

キープできる期間はお店によって異なりますが、一般的には1〜3ヶ月程度が目安とされています。高級店では3〜6ヶ月対応しているケースもあります。期限を過ぎてもボトルが残っている場合は廃棄されることもあるため、お客様に期間内にお越しいただけるよう、自然な形でお声がけすることも大切な接客のひとつです。

なお、シャンパンやワインなど「抜きもの」(その日限りで飲み切るお酒)はキープの対象外となります。焼酎・ウィスキー・ブランデーなど、保存がきくお酒がキープボトルの主流です。

キャバクラのキープボトルの値段相場

キャバクラのキープボトルの値段相場

キープボトルの値段は、お店のランクや銘柄によって大きく異なります。同じ銘柄のウィスキーでも、大衆店と高級店では数倍以上の差が出ることも珍しくありません。お店のメニューをあらかじめ把握しておくと、お客様へのご案内がスムーズになります。

  • 大衆店(1万円〜)
  • ミドルクラス(3万〜10万円程度)
  • 高級店(15万円以上)

大衆店(1万円〜)

大衆店の相場は1万円前後からです。鏡月や角瓶など飲みなれた銘柄を手頃な価格でキープできるため、初めてキープボトルを入れるお客様にも入りやすいラインです。

また、初めてのお客様向けに数千円台のJINROなどが用意されている店もあります。大衆店であれば、比較的ボトルを入れてもらうハードルは低いでしょう。もちろんその分バックは少なめですが、お客様のリピートを促す意味では十分です。

ミドルクラス(3万〜10万円程度)

ミドルクラスのお店では5万〜10万円程度が目安です。国産ウィスキーや少し上質な焼酎なども選べるようになり、お客様にとっての「特別感」が増します。

また、常連になるとお客様のオーダーに合わせて仕入れをおこない、ウィスキーやブランデー、焼酎などを用意することもあります。何度も通ってくれているお客様が「こんなボトルが飲みたい」と言った場合は、店長に交渉してみると良いでしょう。

高級店(15万円以上)

高級店になると、15万円以上の銘柄も珍しくありません。山崎や響といったプレミアムウィスキー、高年数のブランデーなど、価格に見合った質と希少性のあるお酒が揃っています。

同じ銘柄でもお店のランクによって値段は大きく変わります。「このお店だといくらになるか」をしっかり把握したうえで、お客様の予算感に合ったご提案ができるよう準備しておきましょう。

キャバクラでよく出るキープボトルの定番銘柄

キャバクラでよく出るキープボトルの定番銘柄

キープボトルとして選ばれるお酒には、ある程度の定番があります。お客様からご注文いただく際に戸惑わないよう、代表的な銘柄と特徴を覚えておきましょう。

  • 焼酎
  • ウィスキー
  • ブランデー

焼酎

焼酎はキープボトルのなかでも特に人気が高く、幅広い年齢層のお客様に親しまれています。定番銘柄としては、吉四六(きっちょむ)百年の孤独黒霧島いいちこなどが挙げられます。

水割りやお湯割り、ロックなどさまざまな飲み方ができる点も、焼酎が選ばれやすい理由のひとつです。相場はお店のランクにもよりますが、5,000円〜3万円程度が一般的です。ハウスボトルの鏡月やJINROに比べて風味の幅が広く、「もっとおいしい焼酎を飲みたい」というお客様への提案に向いています。

ウィスキー

ウィスキーは、香りとコクを楽しみたいお客様に選ばれることが多いお酒です。定番銘柄としては、サントリー角瓶ジャックダニエルジムビーム、そして高級志向のお客様には山崎白州といった国産プレミアムウィスキーが人気です。

相場は1万5,000円〜8万円程度と幅が広く、銘柄によって価格差が大きいのが特徴です。とくに山崎や響は希少性も高く、特別感を演出したいシーンにぴったりです。

ブランデー

ブランデーは、果物を発酵・蒸留して造られるお酒で、深みのある風味が特徴です。キャバクラではフォーチューンハートテディデキャンタといったブランド商品がよく見られます。

相場は2万〜15万円程度と幅広く、デザイン性の高いボトルはテーブルを華やかに彩る効果もあります。記念日や特別な来店時に入れていただきやすいお酒のひとつです。

キャバクラでキープボトルを入れていただくメリット

キャバクラでキープボトルを入れていただくメリット

キープボトルを入れていただくことは、お客様にとってもキャストにとっても多くのメリットがあります。ここでは、キャスト目線での主なメリットを3つご紹介します。

  • お客様が気軽に来店しやすくなる
  • オーダー時にボトルバックが入る
  • 常連感が出てお客様の気分が良くなる

お客様が気軽に来店しやすくなる

キープボトルが残っているということは、お客様にとって「また来る理由」が生まれることを意味します。「ボトルが残っているから来よう」という動機が自然なリピートにつながり、安定した来店サイクルが生まれやすくなります。

本指名客(特定のキャストを継続して指名してくださるお客様)を増やすうえで、キープボトルはお客様との関係を継続させる効果的な仕組みといえます。ボトルが減るたびに「そろそろなくなりそうですね」とお声がけできるのも、自然な接点をつくる良い機会です。

オーダー時にボトルバックが入る

キープボトルをご注文いただくと、キャストにはボトルバックが支給されます。金額はお店によって異なりますが、ボトル代の10〜20%程度が目安とされており、ドリンクバックと比べても高い還元率です。

1本入れていただくだけで数千円から、場合によっては数万円単位のバックになることもあります。本指名客がいない時間帯でも、ヘルプ席でキープボトルのご注文をいただければ収入につながるため、積極的に意識しておきたいシステムです。

常連感が出てお客様の気分が良くなる

名前付きのボトルが棚に並んでいることは、お客様にとって「このお店の常連である」という特別感や優越感をもたらします。来店時に「○○様のボトル、お持ちしますね」と声をかけるだけで、お客様の表情が嬉しそうになることも多いです。

常連として認識されると、お客様自身もお店に対して愛着をもちやすくなります。その結果、指名してくださる可能性も高まり、キャストとお客様の双方にとって良好な関係が築きやすくなります。

キャバクラでキープボトルを入れていただく方法

キャバクラでキープボトルを入れていただく方法

「キープボトルを入れてほしい」と直接お願いするのは、なかなか言い出しにくいものです。自然な流れのなかで、お客様に気持ちよく決断してもらえるように、キープボトルのおねだりの方法を紹介します。

  • まずお客様のお酒の好みを聞く
  • ハウスボトルより美味しいお酒があることを伝える
  • 単品注文よりもお得であることを説明する
  • 仲が深まったら「私も飲みたい」と素直に伝える
  • 誕生日などの特別なタイミングを活用する

まずお客様のお酒の好みを聞く

キープボトルを提案するには、お客様がどんなお酒が好きか把握することが第一歩です。「いつも何を飲まれるんですか?」「焼酎派ですか、ウィスキー派ですか?」などと自然に会話のなかで確認しましょう。

焼酎やウィスキーなど保存がきくお酒がお好みであれば、「それならキープされると毎回すぐ飲めて便利ですよ」とスムーズにご提案できます。お客様の好みに合った銘柄をご提示できると、より具体的なイメージをもっていただけます。

ハウスボトルより美味しいお酒があることを伝える

ハウスボトルは鏡月やJINROなどが多く、飲みやすい反面、こだわりのある方には物足りなく感じられることもあります。そこで「うちのハウスボトルは鏡月なんですが、キープだと吉四六とか黒霧島とか、もっと風味のいい焼酎が選べるんですよ」と、さりげなく案内するのも効果的です。

「より美味しいお酒を飲める」という価値を伝えることで、追加料金に対する納得感が生まれやすくなります。銘柄の特徴や飲み方の違いをさらっと説明できると、知識のあるキャストとして好印象にもつながります。

単品注文よりもお得であることを説明する

キープボトルは、毎回ドリンクを単品で注文するよりも1杯あたりの金額が割安になるケースがほとんどです。「単品だと1杯ごとにかかりますが、ボトルだとまとめて入れていただいた方が結果的にお得なんですよ」と、具体的にお伝えすると納得いただきやすくなります。

複数回ご来店いただくお客様には、とくにこのコスパの話が効果的です。お客様の利益になる情報として伝えることで、営業感が薄れ、自然なご提案になります。

仲が深まったら「私も飲みたい」と素直に伝える

関係性がある程度できてきたお客様には、「私もそのお酒、好きなんです。一緒に飲めたら嬉しいな」とさりげなく伝えるのがとても効果的です。ガツガツした営業トークよりも、こうした素直なひと言のほうが、お客様の心に届くことが多いと感じています。

キャストが「飲みたい」と言ってくれたことで、喜んでキープしてくださるお客様は少なくありません。ただし、まだ関係が浅い段階でこのアプローチを使うと逆効果になることもあるため、タイミングの見極めが大切です。

誕生日などの特別なタイミングを活用する

自分やほかのキャスト、ボーイの誕生日など、特別なイベントはキープボトルをご提案する絶好のタイミングです。「実は今日、○○の誕生日なんですよ。せっかくだから一緒に乾杯しませんか?」と伝えると、お客様も快く応じてくださることが増えます。

記念日や節目のタイミングは、お客様自身も少し気前よくなる瞬間です。場の雰囲気が盛り上がっているときにさりげなく提案することで、自然な流れで注文につながります。

まとめ

キープボトルとは、お客様が別途ご購入されるご自身専用のボトルをお店に預けておくシステムです。ハウスボトルと異なりキャストも一緒に飲むことができ、ボトルバックという形でキャストの収入にも直結します。

値段はお店のランクや銘柄によって大きく異なり、大衆店では1万円前後から、高級店では15万円以上のものまであります。定番銘柄としては焼酎(吉四六・百年の孤独など)、ウィスキー(山崎・角瓶など)、ブランデー(フォーチューンハートなど)が挙げられます。

入れていただくコツとしては、お客様の好みを把握したうえで、ハウスボトルとの味の違いやコスパのメリットを自然に伝えることが基本です。関係が深まったお客様には「私も飲みたい」というひと言が効果的で、誕生日などの特別なタイミングもうまく活用しましょう。

キープボトルへの理解を深め、お客様との自然な会話のなかで上手に提案することが、売上アップの鍵になりますよ。