キャバクラで働き始めると、「ハウスボトル」という言葉を頻繁に耳にします。「ハウスボトルって何?」「キープボトルとどう違うの?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。

ハウスボトルはキャバクラの基本的なシステムのひとつで、お客様との接客において欠かせない知識です。仕組みやルールをきちんと理解しておくことで、スムーズな接客ができるようになります。

この記事では、ハウスボトルとは何か、使われるお酒の種類、キープボトルとの違い、キャストが知っておくべきルール、そしてハウスボトルだけのお客様への接客のコツまで詳しく解説します。

キャバクラのハウスボトルとは?

キャバクラのハウスボトルとは?

キャバクラのハウスボトルとは、セット料金(チャージ料)に含まれる飲み放題のお酒のことです。お客様は追加料金を支払わなくても、セット料金の範囲内でハウスボトルのお酒を何杯でも飲むことができます。

ハウスボトルはお店が用意しているお酒をすべてのお客様で共有する形式です。特定のお客様専用のボトルではなく、お店全体で使い回して提供されます。銘柄はお店によって異なりますが、比較的リーズナブルなものが多く選ばれています。

お客様にとっては追加費用なしでお酒を楽しめるメリットがある一方、キャストにとってはハウスボトルだけではドリンクバックが発生しないという特徴があります。そのためキャストはハウスボトルの仕組みを理解したうえで、キープボトルや別のドリンクを自然な流れで提案していく必要があります。

ハウスボトルに使われるお酒の種類

ハウスボトルに使われるお酒の種類

ハウスボトルに使われるお酒はお店によって異なりますが、ある程度の定番があります。どの銘柄がよく使われるかを把握しておくと、お客様への対応がスムーズになります。

  • ウイスキー(角瓶・シーバスリーガルなど)
  • 焼酎(鏡月・いいちこなど)
  • ブランデーを置いているお店もある

ウイスキー(角瓶・シーバスリーガルなど)

ウイスキーはハウスボトルとして最もよく使われるお酒のひとつです。代表的な銘柄としてはサントリー角瓶が挙げられます。飲みやすくクセが少ないため、幅広いお客様に好まれます。

お店のランクによってはシーバスリーガルなどの少し上質なスコッチウイスキーをハウスボトルとして用意しているケースもあります。水割りやハイボール、ロックなどさまざまな飲み方に対応できるため、注文に応じてスムーズに作れるよう基本的な作り方は覚えておきましょう。

焼酎(鏡月・いいちこなど)

焼酎もハウスボトルの定番です。鏡月やいいちこ、JINROなどの甲類焼酎がよく使われます。甲類焼酎はクセが少なく飲みやすいため、焼酎が好きなお客様だけでなく幅広い層に対応できます。

水割り・お湯割り・ソーダ割りなど、お客様の好みに合わせた割り方に対応できるよう準備しておきましょう。「濃いめ・薄め」の好みも人によって大きく異なるため、必ず確認してから作ることが大切です。

ブランデーを置いているお店もある

お店によっては、ハウスボトルとしてブランデーを用意しているところもあります。ブランデーはウイスキーや焼酎に比べると好みが分かれるお酒ですが、好きなお客様には根強い人気があります。

水割りやソーダ割りでも飲まれますが、ロックや水割りで楽しむお客様が多い印象です。ブランデーに不慣れな場合は、お店のスタッフや先輩キャストに基本的な作り方を事前に確認しておくと安心です。

ハウスボトルとキープボトルの違い

ハウスボトルとキープボトルの違い

ハウスボトルとよく混同されるのが「キープボトル」です。ふたつは似ているようで、料金・管理方法・キャストが飲めるかどうかなど、複数の点で大きく異なります。

  • ハウスボトルはセット料金内の共用ボトル
  • キープボトルはお客様が購入してお店に預ける専用ボトル
  • キャストが一緒に飲めるかどうかが大きな違い

ハウスボトルはセット料金内の共用ボトル

ハウスボトルは、セット料金に含まれているお店全体の共用ボトルです。お客様が追加料金を支払うことなく利用できる一方、銘柄はお店が決めたものに限られます。

ボトルは特定のお客様専用ではないため、使い終わったボトルに同じ銘柄を継ぎ足しながら使い回す形式がほとんどです。お客様が自分好みの銘柄を選ぶことはできません。

キープボトルはお客様が購入してお店に預ける専用ボトル

キープボトルは、お客様が別途料金を支払って購入し、自分専用のボトルとしてお店に預けておく仕組みです。ボトルにはお客様の名前タグが付けられ、専用棚で保管されます。

好きな銘柄を自由に選べるうえ、「自分のボトルがある」という特別感や常連感がお客様に満足感をもたらします。ハウスボトルに比べると費用はかかりますが、それ以上の付加価値があるのがキープボトルの魅力です。

キャストが一緒に飲めるかどうかが大きな違い

ハウスボトルとキープボトルの最も大きな違いのひとつが、キャストが一緒に飲めるかどうかです。

ハウスボトルはキャストが飲むことができません。キャストが飲めるのは、お客様が別途注文してくれたドリンクのみです。一方、キープボトルはお客様が購入した専用のボトルなので、キャストも一緒に楽しむことができます。この違いを理解しておくことで、お客様にキープボトルのメリットを自然に伝えられるようになります。

キャストがハウスボトルについて知っておくべきルール

キャストがハウスボトルについて知っておくべきルール

ハウスボトルには、キャストとして必ず押さえておくべきルールがいくつかあります。知らずに違反してしまうとお客様やお店に迷惑をかけることもあるため、しっかり確認しておきましょう。

  • キャストはハウスボトルのお酒を飲めない
  • ハウスボトルでお酒を作る時の基本手順
  • 割り方はお客様に確認してから作る

キャストはハウスボトルのお酒を飲めない

前述のとおり、キャストはハウスボトルを飲むことができません。これはキャバクラの基本ルールのひとつです。ハウスボトルはあくまでお客様のためのお酒であり、キャストが無断で口をつけることは厳禁です。

キャストが飲めるのはお客様が注文してくれたキャストドリンク(ドリンクバックが発生するドリンク)のみです。このルールを理解していないと、お客様やお店からの信頼を失うことにつながるため、必ず守りましょう。

ハウスボトルでお酒を作る時の基本手順

ハウスボトルでお酒を作る際の基本手順は、グラスに氷を入れる→お酒を注ぐ→割り材(水・お湯・ソーダなど)を加える→マドラーで静かに混ぜるという流れです。

お酒を先に入れてから割り材を加えるのが基本の順番です。逆にしてしまうとお酒が均一に混ざりにくくなります。また、マドラーは反時計回りに2〜3回静かに混ぜるのがマナーで、勢いよくかき混ぜると炭酸が抜けたりグラスの外に飛び散ったりするため注意しましょう。

割り方はお客様に確認してから作る

お酒の好みは人によって大きく異なります。勝手に濃さや割り方を決めて作るのではなく、必ずお客様に確認してから作ることが大切です。「濃いめとお薄めどちらがよろしいですか?」「水割りとロックどちらにしますか?」とひと言確認するだけで、お客様は「ちゃんと気にかけてくれている」と感じます。

常連のお客様であれば好みを覚えておき、確認なしにベストな状態で作れるようになれば、さらに好印象につながります。初対面のお客様には必ず確認する習慣をつけておきましょう。

ハウスボトルだけのお客様への接客のコツ

ハウスボトルだけのお客様への接客のコツ

キープボトルやドリンクを注文せず、ハウスボトルだけで過ごすお客様も一定数います。こうしたお客様への接客には、いくつか意識しておくべきポイントがあります。

  • まずは会話を楽しんでもらうことを最優先にする
  • 別でドリンクをもらえるように努力する

まずは会話を楽しんでもらうことを最優先にする

ハウスボトルのみで過ごすお客様、いわゆる「素飲み」のお客様に対して、接客態度を変えることは絶対にしてはいけません。「どうせドリンクを入れてくれないから」という態度が伝わると、お客様は不快に感じ、次回の来店はなくなります。

キャバクラに来るお客様の目的は、お酒だけではありません。キャストとの会話や楽しい時間を求めて来店している方がほとんどです。まずは目の前のお客様に楽しんでもらうことを最優先に考えて、誠実に接客しましょう。今日ハウスボトルだけのお客様が、次回はキープボトルを入れてくれる常連になることも十分あります。

別でドリンクをもらえるように努力する

ハウスボトルのみではキャストにバックが発生しないため、自然な流れでキャストドリンクをおねだりできるよう工夫することも大切です。会話が盛り上がってきたタイミングで「私も一緒に飲んでいいですか?」と自然に伝えると、気持ちよく応じてもらいやすくなります。

ただし、関係ができていない段階や会話が盛り上がっていないタイミングでのおねだりは逆効果になることがあります。まず楽しい雰囲気をつくることが先決で、その自然な延長線上にドリンクの流れをつくることが、キャストとしてのバランス感覚です。

まとめ

キャバクラのハウスボトルとは、セット料金に含まれるお店全体の共用ボトルのことです。角瓶や鏡月などリーズナブルな銘柄が多く使われており、お客様は追加料金なしで楽しめます。

キープボトルとの大きな違いは、料金・専用性・キャストが一緒に飲めるかどうかの3点です。ハウスボトルはキャストが飲むことができず、バックも発生しないため、キープボトルや別のドリンクへの自然な誘導がキャストとしての重要なスキルになります。

ハウスボトルだけのお客様にも接客態度を変えず、まず会話を楽しんでもらうことを最優先にしましょう。お客様との信頼関係が築かれれば、ドリンクやキープボトルへとつながる可能性は十分あります。ハウスボトルの仕組みとルールをきちんと理解して、自信を持って接客に臨みましょう。