本指名とは、お客様が来店する際にあらかじめ「この子をお願いします」と特定のキャストを指名する制度のことです。お客様がわざわざ名前を伝えて会いに来てくださるわけですから、キャストにとっては非常に嬉しく、そして収入にも直結する重要な存在といえるでしょう。
この記事では、本指名の基本的な意味から料金とバックの仕組み、キャストにとって重要な理由、そして本指名を増やすための具体的なコツや注意点まで丁寧に解説します。これからキャバクラで働くことを検討している方や、指名数を伸ばしたいとお考えの方は、ぜひ最後までお読みください。
キャバクラの本指名とは

本指名とは、お客様が来店時にスタッフへキャスト名を伝え、特定のキャストの接客を受ける指名制度のことです。ここでは、本指名の基本的な仕組みと、場内指名との違いについて説明します。
- 本指名の意味と基本的な仕組み
- 場内指名との違い
本指名の意味と基本的な仕組み
本指名とは、お客様がキャバクラに来店した際、入り口でスタッフに「◯◯さんをお願いします」と、特定のキャストを指名する制度です。指名を受けたキャストは、そのお客様のセット時間中、基本的にずっと席について接客をおこないます。
本指名は、多くの場合2回目以降の来店で利用される仕組みです。初回のフリー客(指名なしで来店されたお客様)としての接客で「またこの子と話したい」と感じてくださったお客様が、次の来店時にキャスト名を伝えて指名してくださるのが一般的な流れです。ただし、SNSやお店のホームページを見て気になったキャストがいる場合は、初来店でも本指名をすることが可能なお店もあるでしょう。
なお、関西圏のキャバクラでは本指名を「A指名」や「場外指名」と呼ぶこともあります。地域やお店によって呼び方は異なりますが、仕組み自体は同じです。
場内指名との違い
本指名とよく比較されるのが「場内指名」です。場内指名とは、フリー客として来店されたお客様が、接客を受けたキャストの中から「この子にもっといてほしい」とその場で指名する制度を指します。
本指名と場内指名の最も大きな違いは、指名のタイミングにあります。本指名は来店前(入り口で)キャストを指定するのに対し、場内指名はお店に入ってから、実際に接客を受けたうえで気に入ったキャストを選ぶ形です。
もう一つの大きな違いは、バック率と売上への反映範囲です。本指名の場合、指名バックに加えて売上バック・ドリンクバック・ボトルバックなど、席で発生したさまざまな売上がキャストの収入に反映されるでしょう。一方、場内指名では指名バックのみが発生し、ドリンクやボトルのバックはつかないお店が多い傾向にあります。
キャバクラの本指名の料金とバックの仕組み

本指名を理解するうえで押さえておきたいのが、料金とバック(歩合給)の仕組みです。バックとは、時給とは別にキャストへ支払われる報酬のことで、本指名が入ることで複数の種類が発生するのが特徴となっています。ここでは、それぞれのバックについて解説します。
- 指名バック
- 小計バック(売上バック)
- ドリンク・ボトルバック
- 同伴バック
- バックの合計と給与システムの違い
指名バック
指名バックとは、本指名を1本いただくごとに発生する報酬のことです。お客様が来店して自分を本指名してくださるたびに、時給とは別の収入として加算されるでしょう。
一般的な相場は、本指名1本あたり1,000円〜2,000円程度です。お店のランクや地域によっても異なりますが、1日に複数の本指名が入れば、それだけでまとまった金額になることがおわかりいただけるかと思います。
なお、場内指名にもバックが設定されているお店がほとんどですが、金額は本指名の半額程度か、それ以下に設定されていることが多い傾向にあるでしょう。本指名の方が報酬面で優遇されていることが、キャストにとって本指名が重要視される理由の一つです。
小計バック(売上バック)
小計バックとは、本指名のお客様の席で発生した売上合計(小計)に対して、一定の割合がキャストに還元される仕組みです。売上バックと呼ばれることもあります。
還元率の相場はお店によって異なりますが、小計の10%〜が目安となっています。たとえば、お客様が1回の来店で5万円を使ってくださった場合、10%であれば5,000円が売上バックとしてお給料に加算される計算です。
お客様が延長をしてくださったり、ボトルを入れてくださったりすると、席の売上が増えるためバックも大きくなるでしょう。つまり、お客様に「もっとこの子と一緒にいたい」「楽しいからもう少し飲んでいこう」と感じていただける接客ができれば、自然と収入アップにつながっていくのです。
ドリンク・ボトルバック
ドリンクバックとは、お客様からキャスト用のドリンクをご馳走していただいた際に発生する報酬です。1杯あたり100円〜500円程度が相場で、お店やドリンクの種類によって金額が変わります。
ボトルバックは、お客様がシャンパンやワインなどのボトルを注文してくださった際に、ボトル価格の10%〜15%程度がキャストに還元される仕組みです。高額なボトルが入れば、1本で数千円〜数万円のバックになることも珍しくありません。
ここで重要なのは、ドリンクバックやボトルバックは指名席でのみ発生するお店が多いという点です。場内指名やヘルプの席では、お客様がドリンクやボトルを入れてくださっても、キャストにバックが入らないケースが少なくないでしょう。この差が、本指名を獲得することの大きなメリットの一つとなっています。
同伴バック
同伴とは、出勤前にお客様と食事などをしてから、一緒にお店に入店することを指します。同伴バックは、この同伴をおこなうことで発生する報酬です。
一般的な相場は1回あたり2,000円〜4,000円程度で、全額がキャストに支給されるお店も多いでしょう。さらに、同伴で来店された場合は自動的に本指名が発生するため、指名バックや売上バックも合わせて得られることになります。
同伴は、お客様との信頼関係がある程度築けてから発生することが多く、定期的に同伴をしてくださるお客様がいれば、安定した収入源となるのです。
バックの合計と給与システムの違い
ここまでご紹介した指名バック・小計バック・ドリンクバック・ボトルバック・同伴バックが合算されて、時給にプラスされる形でお給料に反映されるのが一般的な仕組みです。
ただし、お店によって給与システムは異なります。上記のように各バックを個別に積み上げる「バック制」を採用しているお店もあれば、本指名の席で発生した売上小計の50%〜60%をまとめて支給する「歩合制」や、ポイント換算で時給が上がる「ポイント制」のお店もあります。
いずれのシステムであっても、本指名の有無がお給料に大きく影響することは変わりません。入店を検討する際は、お店のバックや給与システムを事前に確認しておくことをおすすめします。
キャバクラの本指名がキャストにとって重要な理由

本指名は、単に1本あたりのバックが入るだけの存在ではありません。キャストとしてのキャリア全体に影響を及ぼす、非常に大切な要素です。ここでは、本指名がもつ3つの意味を解説します。
- 収入が安定しやすくなる
- お店からの評価と待遇が上がる
- 良いお客様を優先的につけてもらえるようになる
収入が安定しやすくなる
キャバクラの収入は、日によって波が生じやすいのが実情です。フリー客の人数はその日の状況に左右されますし、場内指名がもらえるかどうかも不確定な要素が大きいでしょう。
しかし、本指名のお客様がいれば話は変わります。定期的に会いに来てくださるお客様がいることで、毎月のお給料が安定しやすいです。指名バック・売上バック・ドリンクバックなど複数のバックが同時に発生するため、本指名1本あたりの収入効率も高くなっています。
とくに、週に1回や月に数回のペースで来店してくださるお客様が複数いれば、フリー客がいない日でも一定の収入を確保できるでしょう。本指名のお客様が増えるほど、収入の土台が安定していくのです。
お店からの評価と待遇が上がる
キャバクラでは、キャストの評価基準として本指名の本数が重視される傾向にあります。本指名が多いキャストは「お客様をリピートさせる力がある」と判断され、お店からの信頼も厚くなるでしょう。
お店からの評価が上がると、時給交渉がしやすくなるほか、シフトの優遇や出勤日数の調整など、働き方の自由度が高まるケースもあります。「あの子は売上を作れる」と認められれば、お店にとっても手放したくない存在となるためです。
さらに、本指名の実績が積み上がれば、新人キャストの教育役やイベントの主力メンバーとして活躍する機会も増えていくかもしれません。本指名を増やすことは、目の前のお給料だけでなく、キャバクラでのキャリア全体を左右する要素なのです。
良いお客様を優先的につけてもらえるようになる
キャバクラには「付け回し」と呼ばれるシステムがあり、フリー客をどのキャストにつけるかはスタッフが判断しています。本指名の多いキャストは「売上を作れる人材」としてスタッフに認識されるため、質の良いフリー客を優先的につけてもらいやすくなるでしょう。
質の良いフリー客とは、お金を使ってくださる可能性が高いお客様や、長時間滞在してくださりそうなお客様のことです。こうしたお客様につけてもらえれば、場内指名をいただけるチャンスも広がりますし、新たな本指名へと発展する可能性も高まります。
つまり、本指名が増える→良いお客様をつけてもらえる→さらに本指名が増える、という好循環が生まれるのです。逆に本指名が少ない状態が続くと、付け回しの優先順位が下がってしまうこともあるため、日頃からフリー客の接客にも力を入れておくことが大切といえます。
キャバクラの本指名を増やすための5つのコツ

本指名を増やすためには、日々の接客と営業活動の積み重ねが欠かせません。ここでは、とくに効果的な5つの方法をご紹介します。
- フリー客の接客で「また会いたい」と思わせる
- 連絡先を交換して来店後のお礼メッセージを送る
- お客様の情報を記録して次回の会話に活かす
- 営業連絡は売り込みではなくプライベート感を意識する
- 場内指名を本指名に引き上げる意識をもつ
フリー客の接客で「また会いたい」と思わせる
すべての本指名は、フリー客との出会いから始まります。初めてお会いするお客様に「またこの子と話したい」と感じていただけるかどうかが、本指名獲得への第一歩となるでしょう。
フリー客との接客時間は10分〜20分程度と限られています。この短い時間の中でお客様に好印象を残すためには、まず笑顔で明るく挨拶をすることが基本です。席についたら、お客様の目を見て「初めまして、◯◯です。よろしくお願いします」と丁寧に自己紹介をしましょう。
会話のポイントは、お客様の話を丁寧に聞くことにあります。相槌を打ちながら共感を示し、「もっと聞かせてください」という姿勢でお客様に接することで、居心地の良さを感じていただけるはずです。自分が話しすぎるのではなく、お客様が気もちよく話せる空間をつくることを意識してみてください。
連絡先を交換して来店後のお礼メッセージを送る
フリー客との接客で手応えを感じたら、席を離れる前に連絡先の交換をお願いしてみましょう。「良かったら連絡先を交換しませんか」と自然に提案し、断られた場合でも笑顔で「またお店でお会いできたら嬉しいです」と爽やかに締めくくることが大切です。
連絡先を交換できた場合は、その日のうちにお礼のメッセージを送りましょう。「今日はお話できてとても楽しかったです」という感謝の気もちに加えて、会話の中で出た具体的な話題に触れるのがポイントとなります。「◯◯のお話、とても面白かったです」「おすすめいただいた映画、今度観てみますね」など、お客様との会話を覚えていることが伝わる内容を心がけてください。
この一通のメッセージが、お客様の記憶に残るかどうかを左右するでしょう。ほかのキャストが連絡を怠っている中で、丁寧なフォローをおこなうだけで差がつくのです。
お客様の情報を記録して次回の会話に活かす
本指名を増やすうえで、地道ながら非常に効果的なのが「顧客メモ」の習慣です。会話の中で聞いた情報をメモしておくことで、次にお会いした際に「覚えていてくれたんだ」という特別感を演出できるでしょう。
記録しておきたい情報としては、お客様のお名前・お仕事・趣味・好きなお酒・話した内容・来店日などが挙げられます。お手洗いに立ったタイミングや、席を離れたあとにスマートフォンへさっとメモしておく習慣をつけましょう。
次の来店時に「前回おっしゃっていた◯◯、その後いかがですか」と話題を振るだけで、お客様は「自分のことを覚えてくれている」と感じ、信頼関係が深まっていきます。こうした細やかな心配りが、場内指名から本指名への引き上げにつながるのです。
営業連絡は売り込みではなくプライベート感を意識する
お客様に来店を促す営業連絡は、本指名を維持・増加させるうえで欠かせない活動です。しかし、「会いに来てください」「今日出勤しています」といった直接的な営業メッセージは、お客様にプレッシャーを与えてしまうことが少なくないでしょう。
効果的なのは、プライベートな会話を意識したメッセージです。「最近暑くなってきましたね。体調崩されていませんか?」「前回教えていただいたお店に行ってきました!」など、日常の話題やお客様への質問を交えた内容にすることで、営業っぽさが薄れて自然なやり取りが生まれます。
メッセージの最後を質問で締めくくると、お客様も返信しやすくなるでしょう。たとえば「◯◯さんは最近お仕事忙しいですか?」といった一言を添えるだけで、会話のキャッチボールが続きやすくなります。こまめに、そして自然体でコミュニケーションを取り続けることが、本指名につながる信頼関係を育てていくのです。
場内指名を本指名に引き上げる意識をもつ
場内指名をいただいたお客様は、次回の来店で本指名をしてくださる可能性がもっとも高い存在です。場内指名を「その場限りの指名」で終わらせず、「本指名へのスタートライン」と捉える意識が大切といえるでしょう。
場内指名をいただけたら、まず感謝の気もちをしっかりとお伝えしましょう。そのうえで、残りの接客時間をより丁寧に過ごし、お客様との距離を縮めていきます。席を離れる前には、連絡先の交換を忘れずにお願いしてみてください。
そして、来店後のフォローを欠かさずおこなうことが重要です。お礼のメッセージを送り、次の来店のきっかけとなるような話題を提供しましょう。「次は◯◯のお話、もっと聞かせてくださいね」と具体的に伝えることで、お客様は「また行こうかな」という気もちになりやすくなります。
場内指名から本指名への引き上げは、キャバクラで収入を安定させるためのもっとも確実なステップです。一つひとつの場内指名を大切にして、丁寧にフォローを積み重ねていきましょう。
キャバクラの本指名に関する注意点

本指名を増やしたいという気もちが強いあまり、ルール違反やトラブルにつながってしまうケースもあります。ここでは、本指名に関して気をつけるべき3つのポイントをお伝えします。
- ほかのキャストの本指名客に営業をかけない
- 卓が被っても本指名のお客様を放置しない
- 指名替えを防ぐために接客の質を維持する
ほかのキャストの本指名客に営業をかけない
キャバクラにおいて、ほかのキャストが担当しているお客様に営業をかける行為は「爆弾行為」と呼ばれ、もっともやってはいけないことの一つとされています。具体的には、ほかのキャストの本指名客に名刺や連絡先を渡したり、積極的にアプローチをしたりする行為がこれにあたります。
ヘルプとして本指名客の席につくこともありますが、その場合はあくまでサポート役に徹することが大切です。メインのキャストを立てながら、お客様に楽しんでいただくことを最優先にしましょう。ヘルプの立場で連絡先を渡したり、過度なスキンシップをとったりすることは、キャスト間のトラブルに発展する原因となるのです。
もしお客様の方から「連絡先を交換したい」と言われた場合も、本指名のキャストがいるお客様に対しては丁重にお断りするのがマナーです。「◯◯さん(メインのキャスト)がとても良い子なので、ぜひまた会いに来てあげてくださいね」と自然にかわすことで、トラブルを回避できるでしょう。
卓が被っても本指名のお客様を放置しない
本指名のお客様が増えてくると、同じ時間帯に複数の本指名が重なる「卓被り」が発生することがあります。人気が出てきた証拠ではありますが、対応を誤るとお客様の不満につながりかねません。
卓被りが起きた場合、どちらのお客様も長時間お一人にしないことが大切です。スタッフと連携しながら、それぞれの席をバランスよく回るようにしましょう。お客様の元を離れる際は「少しだけ失礼しますね。すぐ戻ります」と一言お伝えし、できるだけ早く戻ることを心がけてください。
お客様の中には「自分だけを見てほしい」と感じる方もいらっしゃるでしょう。放置が続くと「もう来なくてもいいかな」と感じさせてしまい、指名替えの原因になることもあります。ヘルプのキャストにフォローをお願いしつつ、自分がいない間もお客様が楽しく過ごせるよう配慮することが重要です。
指名替えを防ぐために接客の質を維持する
本指名をいただいたあとも、接客の質を落とさないことが何より大切です。本指名のお客様は「この子だから通いたい」と思ってくださっているわけですから、その期待に応え続ける努力が求められるでしょう。
指名替えが起こりやすい原因としては、連絡の頻度や内容が雑になってしまうこと、会話がマンネリ化してしまうこと、ほかのお客様ばかりを優先してしまうことなどが挙げられます。お客様は些細な変化にも敏感ですので、「慣れ」が出てきたときこそ意識的に丁寧な対応を心がけましょう。
日頃から「このお客様は、なぜ自分を指名してくださっているのか」を考え、お客様ごとに居心地の良い接客を提供し続けることが、本指名を維持する秘訣です。「いつ来ても楽しい」「また会いたい」と感じていただける関係性を育てていくことで、指名替えを防ぎ、長くお付き合いいただけるお客様を増やしていけるでしょう。
まとめ
キャバクラの本指名とは、お客様が来店時にあらかじめ特定のキャストを指名する制度のことです。場内指名と比較すると、バック率が高く、売上全体がキャストの収入に反映されるため、本指名を増やすことがキャバクラで安定した収入を得るための鍵となっています。
本指名がキャストにとって重要なのは、収入の安定だけではなく、お店からの評価向上や良いお客様を優先的につけてもらえるようになるなど、キャリア全体に好影響を及ぼすからです。本指名を増やすためには、フリー客への丁寧な接客、来店後のフォロー、顧客情報の記録、自然な営業連絡、場内指名からの引き上げという5つのステップを意識して取り組みましょう。
一方で、ほかのキャストの本指名客に営業をかけない、卓被りでもお客様を放置しない、接客の質を維持するといった注意点も忘れてはなりません。日々の接客を丁寧に積み重ねることが、本指名の獲得と維持につながっていきます。この記事でご紹介した内容を参考に、ぜひ本指名を一つずつ増やしていってくださいね。