映画の中のワイン・第８４章

今回のボンド映画は泣きました。
前作「007 スペクター」から6年ぶりとなるシリーズ第25作『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』主演のダニエル・クレイグにとって通算5作目のボンド映画となる本作は、クレイグ版「ジェームス・ボンド」の集大成となる壮大な最終章でした。

監督はキャリー・ジョージ・フクナガ、脚本は過去6作の007シリーズを手掛けてきたニール・パーヴィス＆ロバート・ウェイドとフクナガ監督。今回の脚本はよく練られているといった印象でした。
主題歌は18歳で200万枚以上を売り上げ、第62回グラミー賞では主要4部門を含む5部門を受賞したビリー・アイリッシュが兄のフィアネスと共同製作したもので、お馴染みの「ジャームス・ボンドのテーマ」のメロディの断片をさらりと入れてボンド映画らしさも織り込みつつ、これまでにない切ない歌詞も素晴らしいと思います。
興味のある方はあとは映画館でどうぞ。（笑）

さて、ボンド映画に登場するアイテムと言えば、アストン・マーティン、ワルサーPPK、オメガ、トム・フォードですが、忘れてはいけないのがマティーニとワインですね。
今回もマティーニを注文する時「ステアせずにシェイクして」という名セリフは聞けるのでしょうか？こちらも映画館でどうぞ！（笑）

次にワインですが、またまた登場『シャトー・アンジェリュス』です。
アンジェリュスは「祈りの鐘」、二人の行く末を暗示するかのような名前のワインです。
ボルドー・サンテミリオン地区の格付けで、シャトー・オーゾンヌ、シャトー・シュヴァル・ブラン、シャトー・フィジャックと並ぶ、第一特別級のワインです。

今回の映画の中で、さりげなく立ててあるアンジェリュスを何事もなかったかのように開け、片手でグラスに注ぎ、おもむろに飲んでしまいます。まさにテーブルワインのようにです。

これには何か意味があるのかと深読みしてしまいましたが、ストーリーには関係ないようでした。
もしかしたらプロデューサーがワイン好きらしいので、肩ひじ張らずに気軽に飲んでもらいたいというメッセージがあるのでしょうか？
でも、これは高価で良いワインなので流石にそれはないでしょうね。
私もボンドのように軽く飲んでしまいたい。夢でしょうけど・・・（笑）