映画の中のワイン・第９２章

映画「チケット・トゥ・パラダイス」を観ました。ロマンティック・コメディ映画です。監督はオル・パーカー、出演はジュリア・ロバーツとジョージ・クルーニーなど。
二人は「オーシャンズ11」に続いての再共演で、製作も兼任しています。

ストーリーは、「超険悪な元夫婦が娘の結婚を阻止するため、仲がいいフリをして、娘と結婚相手の関係を引き裂く」という事なんですが、あっという間にラストまでいきます。

ロケ地はバリ島です。ジュリア・ロバーツはバリ島が好きなのか、たまたま偶然なのか、2010年に公開された「食べて、祈って、恋をして」でもバリ島でロケをしていますね。

今回の「チケット・トゥ・パラダイス」では、シャンパーニュのパイパー・エドシックとバリ島名物アラックが出てきます。
パイパー・エドシックは1785年にランスに設立しています。創業者のフローレンス・ルイ・エドシックはドイツ出身です。

織物商人として訪れたランスでシャンパーニュに惚れ込み、メゾンを創立しました。
その後、フローレンスの甥クリスチャンとその従兄弟にあたるアンリ・ギョーム・パイパーがメゾンを引き継ぎ、社名が「パイパー・エドシック」となります。

マリー・アントワネットへの献上をはじめ、多くの王室・王宮で愛飲されています。このパイパーが登場するのは二人がバリ島に行くまでの機内でサービスされているシーンです。

次にアラックですが、東南アジアから中近東にかけて造られている蒸留酒の名称です。
エジプトが発祥の地とされ、バリ島でも古くから愛飲されています。

バリ島のカランガッサム地方のココナッツの実から採取できる樹液を原料とした蒸留酒です。
アラカタックというカクテルもあり、これはオレンジジュースやスプライトなどで割って、ライムを絞って飲む物です。

そしてあまり知られていませんが、地元では有名なトゥアックというのがあります。
簡単にいうと、アラックを醸造する前の状態。ジャコー椰子やロンタル椰子などの樹液を濾過せずにそのまま発酵させたもので、ピンク色をしていて、見た目はあまりいいものではなく、日持ちもしないためあまり見かけませんが、飲むと美味しいです。

原稿を書いていたら思い出して、久しぶりにバリ島に行きたくなりました。行ったら飲んだくれてやる！（笑）