映画の中の日本酒

「昭和残侠伝−死んで貰います」マキノ雅弘監督、高倉健主演、1970年作品。

健さんは日本酒がよく似合う。

この作品は、渡世の義理に縛られる男たちの情を描いた「昭和残侠伝」シリーズの１本です。

老舗の料亭の一人息子だが、渡世人に落ちた男（高倉健）は、雪の夜に芸者見習いの少女（藤純子）と出会う。
傷ついた自分になけなしの酒を与えてくれた少女を、男は決して忘れない。

やがて、傷害事件を起こし服役した男は出所後に、芸者になった女と再会。

堅気に戻ろうと実家の料亭で板前修業を始めるが、ある日自分がかつて切りつけた相手がやってくる。
酒を注げ、とお猪口をグイッと差し出す手の甲には刀傷の痕。

「この傷がある限りお前を忘れないぞ」とすごまれるも、男はぐっと堪える。

俺はもう昔の俺じゃない、と。

だが、渡世の義理はどこまでも追いかけてくる。

果たして、酒がつないだ男と女の縁の行きつく先とは・・・。

と言った内容です。

主演の健さんは福岡県中間市出身です。

福岡県には「三井の寿」「庭の鶯（うぐいす）」「山の壽（ことぶき）」「繁桝」「喜多屋」「萬代」「杜の蔵」などの有名な日本酒があります。

その中でも世界最大規模のワインコンペ「インターナショナル・ワイン・チャレンジ（ＩＷＣ）2013」で、喜多屋の日本酒「喜多屋」がＳＡＫＥ部門で最高賞の金メダルを獲得しています。

ちなみに福岡県ではないですが、佐賀県の富久千代酒蔵の日本酒「鍋島」もＩＷＣ2011で金メダルを獲得しています。

九州と言えば、焼酎だろうと自分も思っていた時期もありましたが、今はよく九州の日本酒を飲んでいます。

また日本酒が有名なところはお米の産地でもあります。

福岡県の「元気つくし」、佐賀県の「さがびより」、熊本県の「ヒノヒカリ」「森のくまさん」など、特Ａランクをつけられたブランドが多数生まれています。

そう言えば、何年か前、イタリアのサルデーニャ島から福岡県中間市に日本酒に魅せられて移住してきた人のドキュメンタリー番組があったのを思い出しました。

日本酒は今や世界中の人から「ＳＡＫＥ」として認められているんですね。

六本木クラブチック　ソムリエ　平野 光志