映画の中のワイン・第７２章

六本木クラブチックソムリエ 平野 光志

映画『マチネの終わりに』を観ました。

監督・西谷弘、原作・平野啓一郎、脚本・井上由美子、クラシックギター監修・福田進一、主演・福山雅治、石田ゆり子、他に伊勢谷友介、桜井ユキなど。

私は最初に映画を観ましたが、個人的にはフランス映画のような余韻に心ひかれました。

その後、原作も読んだのですが、映画も原作も素晴らしい内容でした。

そして、もっとも素敵だったのは、最後のラストシーンです。感動して、一人、悦に入っていました。

ここまで原作と映画のラストがイメージ通りとはなかなかないですね。楽しく観られた映画でした。

原作と映画のロケ地は少し違いますが、二人が再会する場所はパリで統一しています。

久しぶりに会って、ビストロ？一つ星？のレストランでランチするのですが、そこで白ワインが出てきます。

ランチですから、そんな高級なワインではないと思いますが、しっかりと見ていましたが銘柄は分かりません。

でも、この二人の関係性などから、テーブルワインでも良いワインだろうなと想像させられます。

映画の中では、ボトルの頭の部分が出ていましたが、大人の映画としてふさわしい、ボルドーの白ワインだろうと思われます。

ボルドーでもいろいろありますが、やはりメドック地区の白ワインではなく、グラーブ地区の白ワインがいいだろなと私は勝手に思ってしまいました。

グラーブの白はセミヨンという品種とソーヴィニヨン・ブランという品種の混合で、ブルゴーニュの白（シャルドネ品種）とはまったく違った香り、味わいを楽しめます。

ただ、グラーブの白も種類は多いので、レストランやチックグループの各店舗ソムリエに聞いてみて下さい。

「グラーブの白はある？」とさり気なくソムリエに尋ねれば、女性受けもする香りが良くて、この映画同様に緻密で情感豊かな大人なストーリーが展開されるワインと出会えると思います！