Le Club de Tokyo ソムリエ
泉澤 進也

こんにちは、Le Club de Tokyoの泉澤です。
ボローニャからなるべく近いワイナリーを探して訪れた場所はマッサにある「テヌータ・ラ・パラッツァ」。

なだらかな丘にあるブドウ畑を見ながら上った先にぽつんと一軒の家。まったく普通の家。

ここがラ・パラッツァのドレイドナ家が暮らす家兼ワイナリー。
当時の当主のクラウディオ（今は元当主）が外出していたこともあり、奥様のジョバンナが元気なコーギーと一緒に出迎えてくれました。

昔から馬を飼っていて馬が大好きなジョバンナに連れられ、古い厩舎の近くにある鉄製のテーブルで自家製のオリーブオイルとパンを頂きながらワインと馬の物語を聞く。
旦那であるクラウディオの自慢話も。
もちろんワインを飲みながら。

1500年代からあるブドウ畑がドレイドナ家の所有になったのは1900年代。
サンジョベーゼ、ロマーニャの方言で「サンズヴェ」しかなかったそうです。
そして、クラウディオが当主になったのが1980年。
弁護士だったクラウディオがブドウに興味を持ち弁護士を辞めてワイナリーを作り今にいたる。

クラウディオはブドウ畑の手入れを正確に行っていたため、親しみをこめて「ベルサイユの庭師」と呼ばれていたそう。
地下室のセラーでその時々感じた全ての感覚や感情を日記として記録しているそうな。
本人からの話を聞きたかったけどしょうがない。

ラ・パラッツァで造られる全てのワインの名前はジョバンナが付けているそうで、全部「私の馬の名前からとった」と、とても嬉しそうに何度も話し、その馬を見ながら馬の名前のワインを飲むという今までに経験したことのなかった新しい説明の仕方でワインの紹介をされたり、不思議なジョバンナ。
特に、「ノットゥルノ」という馬がお気に入りだそうです。

それにしても、とても素晴らしい景色が望める家で毎日こんな所で暮らしているなんてとても素敵だななんて話していたら、「雇うからここにいていいよ」と、優しい。

息子の現当主エンリコに連れられて、ワイナリーのストーリーやワイン造りの話を聞きながら畑の案内をしてもらったが、アカシアや桑の木、菩提樹、桜なんかもありつつ、抜けた先には樹齢100年を超えてるだろうという樹を見せてもらったり。

素敵な経験、体験ができたラ・パラッツァを後にしてモデナへ向かいます。

皆様はルクラで美女を見ながらワイン。
私は馬を見ながら？（笑）