和牛懐石 -RIKKA-
総料理長
佐藤 竜也
皆さま、こんにちは。
CHICK GROUP・和牛懐石『六花-RIKKA-』総料理長の佐藤です。
CLUB CHICK GROUPメールマガジンメンバーの皆さまへ、和牛懐石『六花』から9月特選素材をご紹介させていただきます。

■ 9月特選食材 「天然茸」
心躍る秋の味覚といえば、やはり「きのこ」。
近年は人工栽培の進歩によって、一年を通して良質なきのこが市場に並ぶようになりましたが、自然の森で出会う天然茸には、やはり格別の魅力があります。
今年は夏場の雨と気温のバランスが良かったことから、山のきのこも順調な発生が期待されています。香り高い松茸や、旨みの強い天然舞茸、秋の定番であるしめじやナラタケなど、山から届く便りが楽しみな季節です。
きのこの研究はまだ発展途上で、自然界に生える種類のうち、名前が付けられているのはおよそ半分、食用とされるのは全体のわずか1割ほどにすぎません。ゆえに、天然茸を味わうには専門家の知識や経験が不可欠であり、だからこそ“選ばれた食材”としての価値が際立ちます。
実はきのこの旬は意外に長く、梅雨明けの6月から翌年の雪解けまでとされ、日本でもポルチーニ(セップ)やトリュフといった、ヨーロッパで人気の品種を採取することが可能です。
■ 六花・9月お品書き
序章:【秋の風、旬の息吹】太刀魚と八色椎茸、芳醇な脂と豊な香りの共演
鹿児島県錦江湾で獲れた「ドラゴンサイズ」の太刀魚と、新潟県魚沼の八色椎茸を春巻きに仕立てました。太刀魚の芳醇な脂 と椎茸の豊かな香りを閉じ込めた一皿に、大分の「蘭王卵」を使った自家製タルタルソースと、いぶりがっこの燻香がアクセ ントとなり、新たな味覚の扉を開きます
第二章:【潮騒の記憶】海胆の繊細な磯の香り、透明感に満ちた海の恵み
北海道のムラサキウニが放つ、かすかに甘い磯の香りが口いっぱいに広がり、その繊細さを澄み切った甲殻類のジュレがそっ と包み込みます。それはまるで、遠い潮騒の記憶を呼び覚ますような、透明感に満ちた一皿です。海の恵みが織りなす、純粋 で奥深いハーモニーをお楽しみください。
第三章:【秋の夜、灯火の記憶】戻り鰹、その旅路を辿る
脂の質と個体にこだわった戻り鰹。遥か南の海から黒潮に乗り、再び故郷へと戻るその雄々しい姿を表現しました。熟成黒に んにくの芳醇な香りと、カラメルオニオンの甘みを凝縮させたピューレソースが、その旅路の物語を彩ります。
第四章:【匠の技、水面の舞】金鱧と蕪が奏でる、深遠なるハーモニー
徳島県鳴門海峡の落ち金鱧と、青森野辺地蕪を繊細なフランに仕立てました。丁寧に骨切りされた鱧の旨みを、蕪の甘みと香 りが優しく包み込みます。フランのベースには和牛、昆布、カツオ節から抽出した出汁。海と大地の恵みが一つに溶け合う、 深い味わい。蕪の皮から作ったみぞれ煮餡と南高梅と白味噌のペーストが、和の深遠な美意識を添える、静謐な一皿です。
第五章:【山岳と森の調和】会津馬肉の山岳と天然茸の森 野生の息吹
日本全体のわずか0.2%しか流通しない、希少な福島会津の馬肉。その山岳を思わせる力強い赤身に、野生の息吹を感じさせ る天然キノコを合わせました。さらに柔らかく茹で上げた千葉の落花生が、大地の恵みを凝縮した、滋味深い一皿です。
間章:【職人の呼吸】天然酵母と水が生命に、情熱と技が紡ぐ
姉妹店「ラトリエデュパン」の職人が手掛ける、加水率105%超の高加水もちもちパン。天然酵母が粉と水に生命を吹き込 み、噛み締めるほどに広がる豊かな風味は、料理の合間に静かな感動を与えてくれる、まさに職人の「呼吸」が宿る逸品です。
第七章:【炎と鱗、海の閃光】萩の赤甘鯛が語る、芳ばしき物語
山口萩の赤甘鯛を、鱗を立てて香ばしく焼き上げ、身はしっとりと仕上げた至高の鱗焼き。口に運んだ瞬間に広がる鱗の軽や かな食感と、凝縮された身の旨みは、静かにそして力強く、五感に訴えかける一皿です。
第八章:【時を超えた雫】味醂と塩、味覚を覚醒させる至福の調和
石垣島の塩ソルベに、高貴なオシェトラキャビアを添え、岐阜10年熟成白龍本味醂を惜しみなくかけます。塩味、熟成味醂 のまろやかな甘みと旨みがキャビアと融合し、味覚を覚醒させる至福の調和。まさに「時を超えた雫」です。
第九章:【肉の真髄、匠の軌跡】生産者の研鑽、肉問屋の慧眼、料理人の情熱匠が引き出す至福
厳選された和牛の真髄を引き出すため、60C低温調理後、遠赤外線で表面を香ばしく焼き上げ、芯温62Cの究極の火入れを 実現。静岡有東木産本山葵が、肉の旨みを一層際立たせる、匠の情熱が宿る一皿です。
第十章:【五穀豊穣、感謝の循環】炊き立て土鍋ご飯、大地への感謝と恵み
本日〆の料理は、北海道産ゆめぴりかを土鍋でふっくらと炊き上げたご飯です。日本の豊かな大地、そして生産者への感謝を 込めた「五穀豊穣」の象徴。温かな恵みが、これまでの美食体験を滋味深く締めくくります。
最終章:【巡る時、生命の余韻】乳酸発酵レモンとショコラ、創造的な調和で物語を終える
愛媛岩城島の国産レモンを乳酸発酵させたアイスと、ヴァローナ社イボワールホワイトショコラのフォンダン。乳酸発酵レモ ンの爽やかな酸味と濃厚なショコラが多層的なハーモニーを生み出し、美食の物語の余韻を心地よく締めくくります。
*仕入れ状況により内容は変更いたします
■ 総料理長・佐藤竜也プロフィール ■
1982年生まれ。
フランス料理協会アカデミーの会長であるジョエル・ブリュアン氏に師事し、氏の引退後、"キュイジーヌフランセーズJJ" の総料理長、シェフパティシエを務める。
ポールボキューズ メゾン・ド・ピックなどを始め数々の3つ星、2つ星レストランで技術を磨く。
【『六花』店舗情報 】
東京都港区六本木6-1-12 21六本木ビル 2F
【定休日】 無休
【URL】
https://rikka-roppongi.com/
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