毎度ソムリエ通信をお読み頂きまして、ありがとうございます。
「六本木クラブチック」の山之内です。

7月、私からのメルマガでは、自社ワイン事業部の存在と、チックグループで取り扱い豊富なシャンパンの生産者『メゾン　ポール・ダンジャン・エ・フィス』についてお話しました。

今回はもう一つの個性的な生産者『コント・ド・ダンピエール』のお話です。

コルクを針金ではなく麻紐で縛ってあるシャンパンをご存じでしょうか？
チックでシャンパンを召し上がる方は既にご存知かもしれません。

フィスラージュという技法で、3本の麻紐を十字に縒り合せコルクを留めてあります。キリスト教国であるフランスでは「十字」には特別な意味があり、想いを込めてシャンパンを封じているそうです。

そして抜栓時には麻紐にハサミを入れます。これには「未来を切り開く」、「災いを断ち切る」などの意味合いがあります。
元来、刃物には縁起かつぎとして、破邪のシンボルとしての意味がありました。
ウェディングセレモニーで一般的なケーキカットも同様の理由で、ケーキに刃を入れるという儀式になりますね。
ちなみに線路や道路の開通、建物の竣工を祝って行われるのに「テープカット」がありますが、これも同じ理由で執り行われるセレモニーなのです。

この伝統は第一次世界大戦まですべてのシャンパーニュに適用されていましたが、その後に現れた針金による方法（現在の留め方）によって次第に見られなくなっていきました。
この失われた伝統技法を受継ぎ、守り続けているのがダンピエールのシャンパーニュです。

ダンピエール家は、コニャック地方を中心とする古い伯爵家で、700年以上にわたる歴史を持ち、代々シャンパーニュ地方の名家ともつながりを持っていました。
1880年、自身のシャンパーニュ・メゾンを立ち上げました。 名家との交流の中で学んだノウハウ、品質を追求する姿勢は、現在まで受継がれています。

そしてダンピエール家の伝統に則り、グランクリュ（特級）とプルミエクリュ（1級）のブドウのみ使用しています。

フランスでは、エリゼ宮（大統領府）のワイン・セラー、マティニョン（首相府）、上院、国会など、重要なシーンで親しまれています。

また、スペイン王宮や42のフランス大使館及び領事館などでも、特別なゲストを招いた正式な晩餐会などでも提供されています。

そのほか、フランス国内外の名だたるホテル・レストラン、日本国内でもミシュラン3つ星レストランでの起用実績もあります！

個人的に、クラブチックで取り扱うダンピエールのシャンパンはノンヴィンテージのものも含めて、全体的にふくよかで味わい深いことが特徴だと思います。スッキリキレの良いテイストとはやや相反するということです。リンゴやハチミツのアロマでオイリーなところがありますね。

最後に、最近この生産者のロゼシャンパンを入荷しましたのでご紹介します！

Cuvee des Ambassadeurs Rose
キュヴェ・デ・アンバサダー　ロゼ

直訳は「大使たちのキュヴェ」。このロゼにおいては、「最初に目で味わうべきもの」という評価。「ヤマウズラの目」の異名を持つ美しい色合いを持ちます。

格式と伝統に溢れたダンピエールのシャンパン、是非一度は召し上がってください！＾＾