こんにちは、ル・クラブ・ドゥ・トウキョウのソムリエ泉澤です。

前回のピサ編の続き、ワイナリー「サンジェルヴァジオ」の話。

オーナーの祖父が1960年代に無人になった村を村ごと購入と前回紹介させていただきましたが、60年代とはいえ無人になった村を買うってすごいですよね。

家族の住む家は7階建てで、もうマンションです。
庭には樹齢700年を超えるでっかいおばけのような松の木があります。
イタリアカサマツという品種らしいです。

広大な森に囲まれるように作られたブドウ畑が20ha。
スケールが大きい、すごいです。

当主ルカの案内でブドウ畑の見学をした後にワイナリーに戻り、おつまみと数種の試飲をしながらワインとワイナリーの哲学を聞きます。

ルカのおじいさん、シリ・オ・トマジーニに捧げた特別なワイン「イ・シリオ」やメルロー100％のワイン「イ・レナイ」などを含め数種のワインを飲ませて頂きました。

赤ワインはかなり味わいのしっかりとしたものが多い印象でしたね。

トスカーナではヴィンサント「聖なるワイン」というブドウを干してから造られるデザートワインがあります。

使われるブドウ品種は白ブドウだけで造ることが多いなか、黒ぶどうのサンジョベーゼ100％で造られたヴィンサントを頂きました。

当時は熟成中でまだリリース前でしたが、伝統的な栗の木で造られた樽熟成のヴィンサントでした。

今でも10年熟成させてからリリースされるそうですし、今では熟成樽が変わっているそうで2度と同じものは楽しめない思い出の味わいです。

ちなみにヴィンサントを熟成させる樽には十字架の印がつけられることが多いそうです。
知らなかったです。
さすが聖なるワインですね。

今ではワイナリーに訪問するにも試飲をするのにも有料が当たり前の中、この頃はおつまみやワインだけではなく食事を出してくれるワイナリーもあったなと・・・
しみじみ、すごいな・・・

ルカの哲学を聞きながらワインを飲む。
大満足のワイナリーでした。