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「六本木クラブチック」の山之内です。

冬になると「しっかりした赤が飲みたい」という声が一気に増えます。
実はこれ、気温や香りの感じ方、冬の食事の傾向などが重なった“自然な欲求”。
今日はその理由を、分かりやすくコンパクトにまとめてみました。

寒さが深まるこの季節、自然としっかりとした赤ワインが恋しくなります。これは単なる気分ではなく、人間の生理的反応や冬の食文化と深く結びついた“必然”でもあります。

まず、気温が下がると人は味や香りを感じ取りにくくなります。鼻腔が乾き、香りのボリュームが弱くなるため、軽いワインでは物足りなく感じることが多いのです。豊かな果実味と厚みを持つフルボディ赤は、この季節になると“ちょうど良い存在”になります。

また、赤ワインに多い14～15％前後のアルコールは、飲むと末梢の血管を広げ、体がふっと温まったように感じさせる効果があります。冷えた体に、ゆっくりと広がる温かみ。冬の夜に赤ワインが沁みる理由の一つです。

さらに冬は、ステーキやすき焼き、煮込み料理、チーズなど、自然と“脂と旨味”が強い料理が増えます。濃厚な料理には軽いワインでは負けてしまいますが、フルボディ赤ならタンニンが油を切り、深い味わいが料理に負けることなく調和します。料理とワインの双方の満足度を高めてくれるわけです。

そして冬は、バニラ、カカオ、トースト、スモークといった甘香ばしいアロマが心地よく感じられる季節。樽熟成の赤ワインが持つ“温もりを連想させる香り”は、寒い空気の中でいっそう魅力的に感じられます。

部屋でゆっくり過ごす時間が増える冬には、ワイングラスの中で温度とともに表情を変えていくフルボディ赤がぴったりです。ゆっくり変化を楽しめる飲み方こそ、冬ならではの贅沢と言えるでしょう。

冬にフルボディ赤が美味しい理由――それは寒さで鈍りがちな感覚を補い、温かさ・安心感・料理の満足度をすべて高めてくれるから。 この季節、ぜひ一杯の深い赤を、六本木クラブチックにてお楽しみください。
当店で取り扱いのあるフルボディのワインを少しご紹介します。

シャトー・バタイエ 2020年
フランスボルドーメドック格付け5級。ポイヤック村らしい男性的な特徴、本来熟成向けだが、他のヴィンテージと比べると飲み頃早い、緊張感を持つ華やかテクスチャ、バランス良く開くとチョコのアロマも。
カベルネ・ソーヴィニョン70％、メルロ25％、カベルネ・フラン3％、プティ・ヴェルド2％

シャトー・レオヴィル・ラスカーズ 2020年
フランスボルドーメドック格付け2級。1級並みの品質、1級シャトーラトゥール隣の畑、他のサンジュリアン村のものより腰が強く長期熟成型、新樽の控えめタッチに囲まれたチェリー、カシス、スミレ、ダークチョコレートのアロマ、古典的でリッチで凝縮感、長く共鳴するフィニッシュ。
カベルネ・ソーヴィニョン 65％、メルロー 19％、カベルネ・フラン 13％、プティ・ヴェルド 3％

クロ・デ・ファ　2020年
チリ産、フランスのマルゴー村とポイヤック村を合わせたような特徴。1級シャトーのムートン・ロートシルトやオーパス・ワンは30万本以上、ロマネ・コンティ6000本という生産量の中でクロ・デ・ファは年間3000本前後という希少性。日本の女性ワイン専門家らによるサクラワインアワードにてゴールド賞。
カベルネ・ソーヴィニョン 85％、メルロ 7.5％、シラー 7.5％