ワインで連想するもの

皆さんは、ワインと言えばどんな食べ物を連想されますか？
ワインといえば、肉やチーズなどが出てくる方も多いと思いますが、個人的には、フランスパンです。

フランスパンには、パリジャン、バゲット、バタール、クッペ、エピ、ドゥリーヴル、フィセル、フルート、ブールなど様々なものがありますが、実は、すべて同じ生地からできています。
小麦粉、塩、酵母（イースト）、水だけを使ったパン生地を、生地量や成型を変えて、いろいろな名称にしているだけなんですね。

なぜ、ここまでたくさんの種類があるのかというと、20世紀以前のフランスの統治政策と関係があるそうで、当時、主食であるパンの価格が変動すると社会が不安定になると危惧した政府は、パンの公定価格を決め制度化して、何グラムのパンはいくらと細かく取り決めたそうです。

しかし実際は、パンを売るときにいちいち重さを量るのが面倒だったのか、切れ目（クープ）の数や形を変えてその重さに見合った値段で売っていたそうです。

パリジャンは、直訳すると「パリの」の意で、もともと主流商品で重さ500ｇ長さ60ｃｍ前後の大きなもの。
バゲットが、「棒・杖」の意で、細めの棒状のもので、重さ300ｇ長さ60ｃｍ前後。
バタールは、「中間の」の意で、バゲットとパリジャンの間の太さ、重さ300ｇ・長さ40ｃｍ前後。
クッペは、「切られた」の意で、ラグビーボール型の中央を１本の切れ目がある。（コッペパンの語源）

などなど。
同じ生地でも形や太さ・大きさが違うだけで外側の固く香りのよい部分と中側のやわらかい食感のバランスによって味わいまで変わりますが、これらの伝統的な製法で作られたパン・トラディシオネルの中でもバゲットは、赤、白、ロゼ、スパークリングのどのワインとも合う万能タイプなので、フレンチレストランなどでは、バゲットが出されることが多いですよね。

フレンチやイタリアンのコース料理で言えば、次の料理に進むときに、口に残った料理の味やワインの味わいをリセットするような時には、何もつけないフランスパンは重宝しますが、さすがにこれだけでマリアージュを成立させるのは至難の業です。

バターやオリーブオイルなどの油分や塩気をパンに足すと、ワインの味をしっかりと引き立ててくれます。

パン・ド・ミは、日本の食パンに近いタイプで、もちろん、邪魔になることはありませんが、ボヤっとした印象になってしまうので単体では物足りない印象があります。

食パンやこのパン・ド・ミしか家にないといった場合には、初めに軽くトーストして、バターやオリーブオイルの油分、さらに少しの岩塩や黒こしょうなどをプラスしてみて下さい。

グッとワインに寄り添いますが、止まらない状態になっても苦情はお受けしていませんので、皆さんの自己責任でお願い致します！（笑）